「オポチュニティ」と「チャンス」はどう違う?ヒントは偶然性の有無にある

ビジネスマン、特に経営に携わる層にとって「オポチュニティ」の有無は死活問題です。

仮にオポチュニティという言葉を知らなくとも、会社の命運を左右するほどの責務に従事している人の多くはオポチュニティと関わっているといえるでしょう。

それほどに影響力のあるオポチュニティとは、果たして一体どのようなものなのでしょうか。

この記事ではそんなオポチュニティの正体に迫ります。

この記事の内容

オポチュニティの意味や語源を解説

オポチュニティの意味や語源をチェックしましょう。

英語「opportunity」のカタカナ語

オポチュニティは英単語“opportunity”のカタカナ語です。

“opportunity”の語源はラテン語の“opportunus”であり、元々は「港の方へ吹いてくる風」という意味でした。

これが転じて「風に乗る」「都合の良い」などという意味合いで使うようになったとされています。

努力による機会や好機

ラテン語の「風に乗る」「都合の良い」という表現は、英語に輸入される際、努力による機会や好機というニュアンスで訳されました。

これには日本語でいうところの「棚からぼた餅」のように降ってきた偶然のチャンスではなく、自身の努力によって手繰り寄せた好機という意味合いがあります。

ビジネス用語では営業案件や提案機会

ビジネス用語におけるオポチュニティは「営業案件」や「提案機会」を指すことがしばしばです。

オポチュニティの性質は、単なる思いつきや飛び込みで営業をかけるような突発的アプローチではありません。

相手先の調査を十分行ってニーズを汲み、双方ともにメリットを享受できるような優れた案件を提供できてこそオポチュニティという表現に相応しいといえるでしょう。

オポチュニティの使い方を例文とともにチェック

ここでオポチュニティの用例を例文でご紹介します。

例文

相手先の潜在ニーズを探らずに飛び込みの営業をかけても空振りする可能性が高い。先方がどんな業態でどのような特徴を持った会社なのかを把握し、可能な限りベストのプランを提示できてこそセールスマンとしてのオポチュニティだ。

例文

オポチュニティには人の意思が介在している。この点において、偶然性に左右されるチャンスとは異質なものといえる。

例文

新規顧客を獲得し、その顧客から新たな取引先を紹介された。当社の商品と提案内容が評価されている証であり、このオポチュニティの連鎖をうまく活かしていきたい。

オポチュニティとチャンスは同義語?

オポチュニティを取り沙汰する際、避けて通れないのが「チャンス」とは違うのかという疑問です。

一見同義語のようにも思われますが、果たして違いはあるのでしょうか。

チャンスの意味とは?

英語“chance”に由来するチャンスは、一般的に「好機」と訳されています。

しかしその性質としては自らの力で手繰り寄せたものではなく、運や偶然によって手に入れた機会というニュアンスが含まれます。

運や偶然性の有無で使い分け

オポチュニティとチャンスの違いは運や偶然性の有無という点にあります。

オポチュニティが自らの努力によって獲得した好機であるのに対し、チャンスは運や偶然によってたまたま巡り合った好機であるということです。

両者ともに好機を指しますが、本質的には大きく異なるものだといえるでしょう。

オポチュニティを用いた言葉をまとめてみた!

ここでオポチュニティの派生語をご紹介します。

聞き慣れない言葉もあるかもしれませんが、細かいところで他人と差がつくのもこのような要素です。是非チェックしてみましょう。

オポチュニティギャップ

オポチュニティギャップとは自分の思い描く理想像と、それに対する現実との隔たりを指します。

主に未熟であるさまを述べる際に使う言葉で、ビジネスだけでなくスポーツや文化芸術などあらゆるシーンで当てはまるでしょう。

オポチュニティコスト

オポチュニティコストとは経済用語でいうところの機会費用に相当し、一つのアクションを実行した時点で、それ以外のアクションを実行する機会を逃すことになるという考え方です。

例えば目の前に一方通行の分かれ道があり、左右どちらかしか選べないという状況を想定するとよいでしょう。

仮に右を選択した場合は左の道にある結果を享受することはできなくなってしまいます。

このような状況で受け取ることができずに逃してしまった結果がオポチュニティコストです。

何か大きな決断をした経験のある人ほどわかりやすいかもしれません。

オポチュニティロス

オポチュニティロスとは経済用語でいうところの機会損失に相当します。

先述の機会費用とよく似ていますが、こちらの考え方はより利益に注目する点が特徴です。

例えばコストが一定の条件で、得られる利益の大きさが異なるプランが複数あるという条件であれば、最も大きな利益を得られるプランを選ぶのがセオリーです。

しかしこの場合に最も大きな利益を得られるプランを選ばす、他のプランを選択した場合は本来得られるはずの利益の一部を逃してしまったと考えられます。

すなわち逃してしまった当該利益の一部は、最大利益から目減りした損失であるという考え方が機会損失です。

オポチュニティファンド

オポチュニティファンドとはいわゆるプライベートファンドの一種です。

これらは投資信託とは異なり情報開示義務がないので、金融機関での取り扱いはありません。

また元本の保証がなく、リスクもリターンも投資家に帰属する上級者向けのファンドといわれています。

他のファンドと異なるオポチュニティファンドの特徴として、市場価格より高い運用実績を上げることをコンセプトに据えている点が挙げられます。

また比較的安価で取得でき、投資の対象も運用者が任意で選ぶことが可能です。

つまり私募ファンドの中でも、特にハイリスクハイリターンの度合いが高い商品といえるでしょう。

なお、投資対象は不動産が多いとされています。

オポチュニティレポート

オポチュニティレポートとは営業活動におけるオポチュニティ、すなわち営業機会に関する情報をまとめた報告書のことです。

これは単なるレポートではありません。顧客のニーズに応えられそうな商品の提案につなげたり、業界の情勢をつかんで新商品開発の足がかりにしたりといったオポチュニティの発想に基づく一種の知的財産ということができます。

ビジネスにおけるオポチュニティには日々の努力が不可欠


オポチュニティには偶然に頼ることなく自力で獲得する好機という性質が内在しています。

ビジネスにおけるオポチュニティを得るには、日々の努力によって成果を勝ち取る姿勢が不可欠だといえるでしょう。

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