「リスペクト」ってどんな意味?オマージュ、インスパイアとの違いや語源も紹介!

ビジネスシーン、日常生活を問わず使われるのがリスペクトというカタカナ語です。

一般的には尊敬という意味で知られていますよね。一方で、影響を受けたり傾倒したりといった意味でも用いる場合があります。

リスペクトに関する正しい知識を身につけ、オンオフどちらの場面でも使えるようにしていきましょう。

この記事の内容

リスペクトとはどんな意味?ビジネスシーンでの使用は注意が必要!?

リスペクトが外来語であることは間違いありません。

まずは英語に立ち戻り、基本的な意味や用法をチェックしてみましょう。

リスペクトの意味は「尊敬する」

リスペクトは英単語“respect”に由来するカタカナ語で、尊敬するという意味を持ちます。

また敬意を払う・尊重するといったニュアンスも含まれ、尊敬することに限定されるわけではありません。

リスペクトするとは人を認める・受け入れる・否定しないこと

カタカナ語のリスペクトは「~をリスペクトする」といった使い方をする場合が多く、ちょうど英語における他動詞のような用法が主といえます。

リスペクトするとは人を認め、受け入れ、否定しないことです。単に尊敬するというよりも、むしろ「尊重する」というニュアンスが根底にあるといえるでしょう。

作品などから影響を受けることもリスペクトと呼ぶ

映画や絵画といった創作の分野では、他の作品から影響を受けることをリスペクトと表現する場合がありますよね。

インスパイアされる、もしくはインスピレーションを受けるといった表現とよく似ていますが、リスペクトという場合は敬意を表するという意味合いが強調されます。

リスペクトと表現する意図としては、安易に模倣したりパロディー化したりしているのではなく、あくまで敬意を持って作者の方法論を踏襲しているのだと公表しているわけですね。

ビジネスシーンではあまり口にしない方がよい

ビジネスシーンにおいてリスペクトを使うことは推奨されません。というのもリスペクトは浸透し過ぎてカジュアルに使われる言葉になっており、実際目の前にいる相手に対して尊敬や敬意を表するには相応しくない響きがあるからです。

特に目上の相手や、取引先に対してリスペクトということは極力避けるようにしましょう。

あくまで同僚と雑談する場面で、誰かを称賛する際に使う程度に留めるのがよさそうですね。

リスペクトの正しい使い方を例文でチェック

リスペクトの基本的な意味や用法については網羅できましたね。

続いて、具体的な用例として文章形式でリスペクトを運用してみましょう。例文を3つ紹介します。

例文

営業部門はできる限り売上を立てたいと考える一方、製造部門は生産が追いつかなくなる見込みで調整が難しい状況。どちらの立場をよりリスペクトすべきか、上層部に判断を仰ぐことにしよう。

例文

故・岡本太郎氏が縄文文化をこよなくリスペクトしていたことは有名。従来は工芸品と位置づけられていた縄文土器に注目し、芸術作品として全国的に認知させた事実は岡本氏の影響力を物語るエピソードである。

例文

ニューヨークを中心に活動するデザイナー、ヴィヴィアン・タム氏は東洋と西洋のデザイン性をミックスさせた洋服作りが持ち味。特に水墨画をリスペクトした色彩の作品は、日本でも大いに話題となった。

リスペクトの類語とは?意味の違いにも注目

リスペクトにはいくつかの類語があります。

代表的な2語について、リスペクトとの意味の違いを含めて紹介しましょう。

リスペクトとオマージュの意味

オマージュはフランスの騎士道から生まれた言葉で、原型は仏語“hommage”です。オマージュとは元々騎士道において相手に敬意を表すことで、転じて尊敬・敬意という意味になりました。

「尊敬」という意味において、オマージュにはリスペクトと重複する面が多々あります。

一方で、リスペクトの別の意味である「尊重する・否定しない」といったニュアンスは薄いといえるでしょう。

現代では特に創作活動においてオマージュという表現を使う場合が多く、「尊敬を込めた作品」という意味が主になっています。

リスペクトとインスパイアの意味

インスパイアとは影響を受ける・触発されるという意味です。リスペクトのように、作者に対する尊敬や敬意の要素は介在しません。

影響を受けたり触発されたりといった、事実や結果そのものが取り沙汰されるということですね。

日本語で言い換えると?

リスペクトを日本語で言い換えると、「尊敬」や「敬意」が当てはまるでしょう。

他動詞の要領で「リスペクトする」という言い回しをする場合は、「尊敬する」という意味の他に「尊重する」という意味が加わります。

リスペクトの反対語や日本語の言い換え

リスペクトの反対語はディスリスペクト(disrespect)です。日本語で言い換えると、名詞で無礼・軽蔑・軽視、動詞で無礼なことを言う・蔑む・軽んじるという意味を表します。

ちなみに近年では慣用表現として人をけなすことを「ディスる」といいますが、元々はディスリスペクトに由来するものです。

ディスるとは日本のHIPHOPリスナーが90年代年半ばから後半にかけて使い始めた表現で、次第にネットスラング化し浸透が進んだとされています。

リスペクトの語源とは?英語「respect」意味や使い方

リスペクトは英語の“respect”に由来します。リスペクトの語源はラテン語の“respicio”に遡り、元々は「振り返って見回す」という意味でした。

やがて「人に対して見直す・再評価する」といった意味に転じ、英語に輸入された際には尊敬や敬意のニュアンスになったと考えられます。

英語で“respect”を使う場合は、次のような表現をするのが一般的です。文章形式で見てみましょう。

例文

・We respect her for the achievement.
(我々は彼女の功績に敬意を表する)

例文

・I respect individual personality.
(私は人の個性を尊重する)

例文

・You should have respect for your parents.
(君は両親を敬うべきだ)

英語表現の場合、“respect”には動詞としての用法と名詞としての用法があることを覚えておきましょう。不定詞と組み合わせるパターンもあるので注意が必要です。

リスペクトは「する」より「される」人を目指そう!

ビジネスシーンよりも創作や制作の分野をイメージするとわかりやすいのですが、リスペクトするということは第三者に追従したり、力を借りたりするということでもあります。

本当に強いのは、圧倒的なオリジナリティを持った人物です。強烈な個性と才能を持った人物はリスペクトする側ではなく、やはりリスペクトされる側にいます。

例文で取り上げた故・岡本太郎氏は、創作活動に携わるあらゆる人に多大な影響を与えました。現代でいえばちょうど「ジョジョの奇妙な冒険」の作者、荒木飛呂彦氏が近いといえるかもしれません。

いずれもリスペクトする側でなく、リスペクトされる立場にある人物です。

一方で岡本氏も荒木氏も、若かりし頃には様々な人物や創作作品をリスペクトしていたことが明らかになっています。

リスペクトするばかりでなく、実績を上げてリスペクトされる立場になっていくことこそ、大成の証といえるのかもしれません。

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