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「ファクター」の和訳は要因でOK?原因との違いは?分野ごとの意味や類語もチェックしよう

ファクターとは要素・要因のこと。多くの方がご存知ですよね。せっかくお持ちの知識、一段階り補強してみてはいかがでしょう。

例えばファクター(factor)とリーズン(reason)の違いを説明するとなると、意外と難しいのでは。業界や分野によって、ファクターにも様々な意味があるのです。

ファクターはシンプルでいて、実のところ奥深いカタカナ語。是非詳細を見ていきましょう。

ファクターの意味とは?語源となる英語からわかりやすく解説

ファクターは既に広く浸透していることもあり、敢えて語源まで調べていないという方も多いでしょう。

ファクターの語源は英語にあります。まずは語源からチェックしていきましょう。

一般的に「要素」「要因」「因子」の意味合いで使用

ファクターの一般的な意味は要素・要因・因子というもの。

英単語“factor”を紐解いても同じ訳が出てくるので、カタカナ語の意味は英語に準じたものであることがわかります。

ファクターは複数ある「要因」のこと!直接の「原因」とはニュアンスが違う

ファクターという言葉を理解するには、日本語の要因と原因の違いを把握するとよいでしょう。

ある事象が発生したと仮定します。当該事象が発生する、直接的なトリガーは「原因」ですよね。一方、原因を引き起こす複数の要素が「要因」です。

例えばガスコンロを使い、鍋でうどんを茹でるとしましょう。

友人から電話がかかってきて、話し込む内にうっかり火から目を離してしまいます。結果、お湯が鍋から吹きこぼれてしまいました。以上の事象を想定します。

お湯が吹きこぼれるトリガーとなったのは、友人からの電話ですよね。

従って電話が「原因」に当たります。一方でお湯が吹きこぼれる結果を招いたきっかけは、いくつも考えられるでしょう。

例えば、コンロの火力設定が強すぎたのかもしれません。普段は冷静なのに、たまたま疲れていて注意が散漫だったという可能性もあるでしょう。

間接的な理由はいくつも考えられるものですが、中でも「友人からの電話に集中する」という事象を引き起こすきっかけとして妥当性の高い要素が「要因」というわけです。

ファクターの付くフレーズの意味はシーン別に理解していく

先の節で、ファクターとは原因ではなく要因だとお伝えしました。

分野や場面ごとのファクターも、原因ではなく要因であるという視点で見ていくと理解しやすいものです。

シーン別のファクターについて、それぞれ代表的な分野から紹介します。

ビジネスにおけるヒューマンエラーは「ヒューマンファクター」の負の連鎖

ビジネスシーンにおける人為的ミス、いわゆるヒューマンエラーは「ヒューマンファクター」の集積によるものです。

ヒューマンファクターとは人的要因のことで、機械化や自動化がなされておらず、人の動作や言動などが作用した要因を指します。

人が介するため、時として誤操作や誤解に基づく情報伝達がなされる場合があるのです。

悪いことは重なるもの。ヒューマンエラーは得てして、ヒューマンファクターという「負の連鎖」によって引き起こされるものといえるでしょう。

医療では患者の疾患と関係している要素を「リスクファクター」と呼ぶ

医療業界では、患者の疾患に関係のある要素を「リスクファクター」といいます。

リスクファクターは「危険因子」と呼ばれ、具体的には患者の疾患や症状に悪い影響を及ぼす可能性が疑われるもののことです。

身近なところでは加齢や食習慣、喫煙・飲酒の有無などもリスクファクターの一種とみなされています。

金融業界では「ファクター投資」「ファクターアナリシス」として使用

金融業界でファクターの付く用語としては、「ファクター投資」や「ファクターアナリシス」が知られています。

ファクター投資とは、投資案件にまつわる市場の動向やインフレ、長短金利差、信用力といった複数の要因に注目して行う投資手法のことです。

ファクターアナリシスとは、特定の結果に対する要因を分析すること。

元々は心理学用語であり、金融業界では投資案件の成長や減衰に関する要因を探る際などに用いられます。

化学分野のファクターは分析や滴定で用いられる

化学におけるファクターは少々特殊で、化学薬品の分析や滴定に関する専門用語です。

化学において薬品生成の試験を行う際には、異なる化学薬品を掛け合わせますよね。

化学薬品を掛け合わせる場合、生成する溶液によって濃度の基準が定められています。

基準通りの濃度で掛け合わされた溶液は「標準溶液」といいますが、現実的には人が行う作業なのでどうしても基準の濃度から少しずれてしまうのです。

作ろうとした溶液の標準濃度と、実際に生成された溶液の濃度との差異比率がファクターに当たります。

ファクターの正しい使い方を例文でみていく!

基礎知識と分野別の用例を踏まえ、ファクターを例文形式でおさらいしてみましょう。

例文

ミスをしてしまった場合は直接的な原因と、原因につながる要因を分けて考える方がよい。原因に当たるのがトリガーで、要因がファクターと考えるとわかりやすいだろう。

例文

仕事上のヒューマンエラーは、十中八九ヒューマンファクターの連鎖で起こる。自分の行動や判断について、落とし穴やリスクがないかを常に疑うようにするべきだ。ビジネスにおいて楽観論や性善説は禁物である。

例文

癌(がん)のリスクファクターとして、真っ先に挙げられるのが喫煙である。続いて食習慣、持続疾病の順だ。

例文

ファクター投資には情報収集力に加えて、分析力も必要だ。企業情報や業界のトレンドを知るだけでは不十分で、市場全体の動向や国際情勢なども考慮する必要がある。

例文

同じ研究室のB君は、化学薬品の溶液を少ないファクターで作るのが非常に上手い。ファクターが少ないということは、標準溶液に近い状態の溶液を作れるということだ。

ファクターの類語や言い換えをチェック

ファクターの類語や言い換え表現を、カタカナ語で2つ紹介します。

エレメント

エレメント(element)とは成分・元素・要素のこと。RPGなどのゲームでよく登場する、火・風・水・土といったエレメントは典型例です。

エレメントに対する「属性」という和訳はゲームや占いによって付与された二次的な意味であり、本来は成分や元素といった構成要素のニュアンスが強い言葉だといえます。

コンポーネント

コンポーネント(component)とは部品・成分・構成要素のことで、単体では動作せず組み合わせて成立するのが特徴です。

エレメントと比較すると物理的な意味合いが強く、映像・音声機器の構成部品やITシステムの構成要素を指す事例が多く見られます。

まとめ

ファクターに対する日本語の「要因」は、実に的確な和訳です。

要因という言葉の本質を掴むには「原因」と「要因」との違いを把握する必要がありますが、違いがわかればファクターを理解したも同然。

エレメントやコンポーネントといった類語とも比較すれば、より正確なニュアンスを把握できるでしょう。

ファクターの分野別の用法も、元々の意味を押さえておけば決して難しくありません。記事の内容を足がかりにし、ファクターを適切に運用できるようにしていきましょう。

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