「日頃より」の意味と使い方を解説!ビジネスで使える挨拶のフレーズも紹介します!

ビジネスにおける定型の挨拶といえば、どんなものを思い浮かべますか?「日頃よりご愛顧いただき」のように、「日頃より」から始まるフレーズを挙げる方も多いのではないでしょうか。

挨拶の決まり文句には長く使い続けられている理由があり、日本語特有の文化が色濃く反映されています。

「日頃より」も例外ではありません。「回りくどい」などと頭から否定せず、今なお使い続けられる意味を考えてみましょう。

当記事では「日頃より」の意味や使い方のほか、セットで使える定型の挨拶や英語表現なども網羅します。

この記事の内容

「日頃より」の意味と使い方を把握しよう

「日頃より」は慣用表現になっていることもあり、意味を確認する機会は多くないもの。

改めて「日頃より」の意味や使い方を把握しておきましょう。

「日頃より」とは「普段から」という意味

「日頃より」とは、簡単にいえば「普段から」という意味合い。「日々」や「毎度」などと概ね同義といえます。

どんな時に使う?

「日頃より」は主として対外的な挨拶の際、冒頭に使うフレーズ。冒頭に「日頃より」を配することでやや改まったトーンになり、挨拶の言葉全体をビジネスに相応しい内容へと方向付けする作用があります。

「日頃より」から始まる挨拶と「日々」や「毎度」などから始まる挨拶を対比させると、トーンの違いがわかりやすいでしょう。

相手との関係性や距離感を見極めながら、言葉遣いも上手に使い分けるのがビジネスマナーのポイントです。

「平素より」との違いは?

「平素より」も挨拶に使われる定番のフレーズですが、「日頃より」と比べるといっそうビジネス向けの言い回しです。

特に「平素より」を使う場合は、季節や時候の挨拶をセットで行うのがセオリー。先に季節や時候の挨拶を行い、「平素より」から始まる定型挨拶につなげるのがビジネスの挨拶文として一般的な要領といえるでしょう。

「日頃より」の言い換えに使える類語

「日頃より」の代わりに使える挨拶の言葉はいくつかあります。

一例を紹介しましょう。

日々

「日々」とは「日常的に」「常日頃」という意味。

一度きりでなく、毎日のように繰り返し行われるやり取りや付き合いなどを強調する表現です。  

いつも

「いつも」とは「常々」「常に」という意味合い。

日にちが単位とは限らず、「毎度」「毎回」のようなニュアンスで使われることもあります。

毎度

「毎度」とは「毎回」ということ。

日や期間ではなく「機会のたび」という意味が強調されます。

メールや手紙での「日頃より」の使い方を例文付きで紹介!

「日頃より」は挨拶に使われるフレーズだと述べました。ビジネスにおける挨拶の中でも大事なのが、メールや手紙といった文章による媒体です。

口頭での挨拶は一度きりで、リピートされることがありません。多少の齟齬があったとしても、その場の流れでどうにかなることもしばしば。

一方、文章の媒体は紙やデータとして形に残ります。文字媒体は繰り返し読まれるだけでなく、特にメールの場合だと転送やCC送信によって多数の相手に読まれることになってしまうのです。

文章の中で「日頃より」を誤用することのないよう、例文付きで正しい使い方をチェックしましょう。

日頃より弊社

「日頃より弊社」という書き出しは、ビジネス挨拶における必須フレーズ。

「日頃より弊社の商品をご愛用いただき」「日頃より弊社サービスをご利用いただき」などのように、文言の一部を変更するだけで流用できるため、挨拶のテンプレートとしても有用といえるでしょう。

例文

日頃より弊社のドリングをご愛飲いただき、厚く御礼申し上げます。おかげさまをもちまして、年間国内販売数No.1を達成いたしました。

日頃よりご愛顧いただき

「日頃よりご愛顧いただき」は、取引先や顧客・消費者などの利害関係者に向けて使われることの多いフレーズです。

「愛顧」とは愛用したり引き立てたりすることであり、他よりもひいきにするニュアンス。

「ご愛顧いただく」関係が成立しているということは、利害関係が良好で相互利益が生まれているともいえます。

例文

日頃より当社サービスをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。

日頃より格別の

取引先や株主など、特に関係の深い利害関係者に対して挨拶文をしたためる際には「日頃より格別の」というフレーズが使われます。

「格別」とは段違いに良い、という意味です。注意点として、実際にはそれほど関係が成熟していない間柄であっても「日頃より格別の」という文言を盛り込む事例も。

いわゆる社交辞令の常套句として使われる場合もあるものと覚えておきましょう。

例文

日頃より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

日頃よりご協力

ビジネスシーンにおける挨拶の中でも、「日頃よりご協力」という場合は少し特殊です。

必ずしも対外的な挨拶とは限らず、例えば従業員やボランティアなどを対象とする場合も考えられます。

「協力」の語句が入るということは一般的な取引ではなく、力を合わせて何かを行う状況が前提。具体的には会社行事に関するビジネスメールや文書などの冒頭で、代表者が挨拶文を記すような場面を想定すればよいでしょう。

例文

従業員の皆さん、ご家族の方々には日頃よりご協力いただき、改めて感謝いたします。おかげさまで、無事53期決算報告と株主総会を終えることができました。

日頃よりご指導

「日頃よりご指導」とは、主に上司や先輩に向けての挨拶の中で使うフレーズ。というのも「ご指導」という文脈より、目上の相手からの指導を受けている状況が読み取れるからです。

身内を対象とした場面で、なおかつ改まった挨拶が必要な時に「日頃よりご指導」を用いるとよいでしょう。

例えば部署内での記念パーティーや宴会における挨拶文、あるいは結婚式に招待する上司や先輩へのメール・手紙などが挙げられます。

例文

「小林部長には日頃よりご指導を賜り、改めて御礼申し上げます。この度、長年交際してきた女性と婚約し、結婚式を挙げる運びとなりました。つきましては小林部長も式にご出席願いたく、お便りさせていただいた次第です。」

「日頃より」を英語で表現してみよう

最後に「日頃より」の英語表現を紹介します。ほぼ直訳であり、相手との関係や状況を見極めるといった、日本語特有の要素は基本的に含まれません。

日本語表現よりも、むしろ英語表現の方がシンプルで明快と感じる方も多いでしょう。

「日頃より」は英語で“always”もしくは“daily”

日本語の「日頃より」に最も近いと考えられる英語は“always”と“daily”の2つです。

  • always:常に、何時も
  • daily:毎日の、日常的に、毎日、日々

補足すると、“daily”は“day”から派生した単語です。“day”は名詞であり、「日」「一日」という意味。派生語の“daily”はやや特殊で、副詞としても形容詞としても使われます。

和訳ベースでは大きな差は生じないものの、文法上の品詞を分類する必要がある場合は要注意です。

「日頃より」を使った挨拶文を英語で表現

先の項で紹介した“always”と“daily”を使い、日本語の「日頃より」に相当するフレーズを含む挨拶文を英語で表現してみましょう。

例文

・I’m always thankful for the help.
(いつも助けてくれて、ありがとう)

・Thank you for your daily support.
(日頃お世話になっております)

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