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「相違ございません」を使うべき場面とは?「相違ありません」との違い、意味用法も解説!


「間違いない」や「その通り」などと区別して、「相違ございません」という表現を選ぶ場合がありますよね。やや格式ばった言い回しで、普段使いの言葉とはいえません。

敢えて「相違ございません」というべき場面や理由は、果たしてどんなものでしょうか。基本的な意味や用法を踏まえ、詳しくチェックしてみましょう。

「相違ございません」の意味と使い方を紹介!


「相違ございません」を理解するには、まず「相違」を理解する必要があります。不明瞭なフレーズも、単語レベルで解析していけば意外と簡単にわかるものです。

「相違」の意味とは?

「相違」とは違いがある様をいいます。ただ単に違うというだけでなく、「相手と異なる・一致しない」という意味を持つのが特徴です。

「相互」「相対」のように、「相」には「相手」というニュアンスがあります。「相違」とは、「相手と一致しない」という意味合いを強調した語句だといえるでしょう。

「相違ございません」の意味

単語「相違」を踏まえて、今度は「相違ございません」というフレーズの意味を考えましょう。

「相違ございません」と発言する背景には、相手と自分の関係が前提となる状況があるはず。加えて敬語表現を使うことから、目上の相手による意見や認識に対してコメントを出す場面であることがわかります。

以上を踏まえ「相違ございません」とは、目上の相手が持つ意見や認識などについて、相対する意見や認識、もしくは事実との食い違いがない旨を伝える行為といえるでしょう。

「相違ございません」の使い方

「相違ございません」は目上の相手とのやり取りが前提で、相手の持つ意見や認識に間違いや食い違いがない旨を伝える行為です。

意見や認識に相違のない状況が必要となるのは、協議や契約、話し合いなどが代表的でしょう。双方の意見や認識に相違がなくなって、はじめて「合意」が形成されるからです。

また「相違ございません」が使われるのは、合意の場面だけではありません。例えば文章読解や法律の解釈、あるいは数学における計算式の解析など、結論を出すまでに分析と理解を要する事象もありますよね。

分析と理解のプロセスを経て導かれた結論が、正解や真実と合致していた場合にも「相違ありません」という言い方をすることがしばしばです。

上述の例では予め正解や真実を把握している人が作業に立ち会っていることが前提となるため、教授や監督官などの第三者が客観的に「相違ございません」と発言する場合もあるということですね。

「相違ございません」と類似表現との違いは?


「相違ございません」のポイントは2つあります。1つは相手ありきのコミュニケーションであること。もう1つは意見や認識、もしくは正解や真実と一致しているということです。

上記を踏まえ、類似表現との違いを考えてみましょう。

「間違いございません」

「間違いございません」は「相違ございません」とほぼ同義のフレーズ。丁寧の補助動詞「ございません」を使う点から窺える通り、敬意の度合いも同等です。

敢えて留意すべきポイントを挙げるならば、「間違い」と「相違」における語感の違いでしょう。「間違い」とは誤りのこと。一方「相違」とはあくまで違いや差、隔たりがある様をいいます。

たとえ間違いがなく正常な内容でも、「間違い」という一語が入るだけで何となく嫌な印象を受ける人もいるもの。

「間違いございません」と「相違ございません」のどちらが無難な言い方かといえば、「相違ございません」の方だといえるかもしれません。

「寸分違わず」

「寸分違わず」は「一寸のずれもなく」「完全に一致した」という意味の副詞。

相手に向かって結論を述べる「間違いございません」とは少し使い方が異なりますが、対象に全くずれが生じていない状態を説明するニュアンスとしては同義です。

付け加えると「寸分違わず」は敬語表現ではなく、相手が介在しなくても使えます。品詞が副詞である点からも、話し言葉・書き言葉の双方で使いやすい表現といえるでしょう。

「正しい」

「正しい」という言葉は、必ずしも「相違ございません」とイコールだとは限りません。

例えば数学のように、絶対的な正解や真理が存在する状況においては「正しい」と「相違ございません」はイコールの関係にあるといえるでしょう。

一方、ただ単に意見が一致するというだけで「正しい」と判断するのは、時としてリスクを伴う行為です。

例えば3人で新しいサービスのアイデアについて協議している場合、3人で合意した内容が本当に法律に則っているか、あるいは商慣習的に問題ないのかといえば別の話ですよね。

当事者同士で「正しい」という認識であったとしても、客観的に適正か否かといえば、必ずしもイコールの関係ではないのです。

以上を踏まえ「正しい」を「相違ございません」と同じ意味で使う場合は、事前に必ず文脈を読み解いておく必要があります。

「相違ございません」は敬語表現!

「相違ございません」は、「相違ない」を丁寧に表した敬語。敬意を表す対象があるからこそ、敬語表現を使う必要があるのです。

「相違ない」の丁寧表現として、「相違ありません」というフレーズもあります。「相違ございません」と比較することで、両者の違いをチェックしましょう。

「相違ございません」と「相違ありません」の違い

「相違ございません」と「相違ありません」は、ともに「相違ない」の丁寧表現です。同じ丁寧表現なのに、果たしてどこに違いがあるのでしょうか。

答えは敬意の度合いで、ポイントは補助動詞にあります。話を単純化してみましょう。

有無を取り沙汰する際の「ない」を丁寧語にすると、「ありません」が一般的ですよね。「ございません」でもOKですが、「ありません」よりもちょっと堅苦しい感じがしませんか。

上述の例から窺える通り、同じ丁寧表現でも「ありません」よりも「ございません」の方が、より敬意の度合いが高いのです。

従って「相違ございません」と「相違ありません」とを比較した場合、「相違ございません」の方がより丁寧な敬語表現だと結論付けられます。

「相違ございません」を使う場面は?

先の項を踏まえると「相違ありません」を使うべき機会は、「相違ございません」と表現するほど格式ばった場面ではないことがわかります。

ビジネスシーンで敬意の度合いを相対化すると、一番高い敬意の対象は外部の相手になるはずです。取引先や顧客、株主などが当てはまりますね。

従って「相違ございません」は、外部の相手に対して使うべき表現といえます。

「相違ありません」を使う場面は?

外部の相手よりも敬意の度合いが相対的に低くなる対象としては、上司や先輩が浮上してくるでしょう。

「相違ありません」は上司や先輩と意見交換したり、認識の一致を図ったりする場面で使われることが多いフレーズだと考えられます。

「相違ございません」と組み合わせたフレーズを状況別に解説!

「相違ございません」は物事を断定し、言い切る表現。状況によっては断定ではなく、疑問形で相手に投げかける用法などもあります。

「相違ございません」をベースとし、語句の組み合わせによってニュアンスを変えた表現を紹介しましょう。

相違ございませんでしょうか

契約や話し合いなどといった相手との協議においては、合意を形成する直前のプロセスとして「相違ございませんでしょうか」というフレーズを挟むのがセオリーです。

「相違ございませんでしょうか」とは認識の一致を確認し、念押しするニュアンスの言葉。

当事者間の認識に相違がある状態で合意することはあり得ないため、「相違ございませんでしょうか」の一言は必須とみなされています。

相違ございませんでした

「相違ございません」と区別して「相違ございませんでした」という場合、レポートや結果報告の意味合いが強くなります。

「相違ございません」の場合は付帯状況を表すニュアンスが伴いますが、「相違ございませんでした」だと結果が確定しており、既に過去の出来事となっているといえるでしょう。

相違ございませんでしたら

「相違ございませんでしたら」という言い方をした場合、次に行う行程や段取りを示唆したり、促したりする作用があります。

例えば契約を取り交わす場面で「書面の内容に相違ございませんでしたら」と発言すると、続いて合意に基づき署名・捺印をお願いするといった具合で、次のステップに進みやすくなりますよね。

「相違ございませんでしたら」には相手に確認を促す作用だけでなく、自分たちが置かれている状況の進行を促す効果もあるのです。

ビジネスで使われる「相違ございません」を例文で紹介!

記事の中で解説してきた内容を踏まえ、「相違ございません」を使った例文を考えてみましょう。

例文

「商品価格帯の関係について確認させてください。AはBより高く、CはBより高い。この理解でOKですか?」
「はい、ご認識の通りで相違ございません」

例文

「ご注文の内容を確認させていただきます。本体価格5万円、保障セット5千円、予備カギ3千円。以上の内容で相違ございませんでしょうか?」
「はい、間違いありません」
「ありがとうございます。それではご注文確定とさせていただきます」

例文

「書面をご確認の上、本契約の内容に相違ございませんでしたら署名・捺印をお願いいたします」

状況に応じて相応しい表現を選ぼう!

「相違ございません」は丁寧な敬語表現であるものの、やや堅苦しい言い回しだと述べました。

いかに目上の相手でも、例えば距離の近い先輩に対して「相違ございません」と応答するのは少しやり過ぎな感があります。場合によっては慇懃無礼とみなされるでしょう。

「相違ございません」と「相違ありません」の例で紹介したように、補助動詞ひとつで敬意の度合いは変わってきます。

相手との関係性や距離感を見極めつつ、状況に応じて最も相応しい表現を選ぶようにしましょう。

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