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「スキーム」を正しく使いこなそう!プランやスキーマとの違いから考えよう

ビジネスシーンの中でも、特に経営やマネジメントに関わる層は人や物を動かす手法を重視します。

自分一人の采配によって数十人、数百人もの労働力を左右することになるからです。

そこで大事になるのが、いかに効率的かつ高い成果を上げるかというポイントです。

人やものを動かす方法論としてグランドデザインやマスタープランなど、様々なアプローチが存在します。

中でも当記事ではスキームを取り上げます。スキームの使い方、業界ごとの用例などを踏まえながら正しい理解につなげましょう。

スキームとはどんな意味?4つの使い方を例文と共に解説

スキームとはごく簡単にいうと、枠組みのことです。日本語の計画とよく似ていますね。

つまり内容や中身を詰めていく前に、予め枠組みを作っておくというイメージです。

スキームは分野に応じて用法が異なります。代表的な4つの分野における使い方を見てみましょう。

一般的なビジネスで使われるスキーム

一般的なビジネスシーンにおけるスキームは、主に事業計画を指します。

資金調達から売上・仕入予算など、包括的な意味を持つものと考えればOKです。

スパンも短期間ではなく、四半期や年単位の長期間で作成することが多いでしょう。

例文

専務から来期の予算作成を指示された。新年度のスキームを作る必要があるという。いわく予算を元に海外進出の是非も検討するとのことで、これまでになく重い責任を課されることになった。

政治や行政で使われるスキーム

政治や行政の分野でスキームという場合、基本構想や基本計画を指します。

例えば公園を作ったり病院を建造したりという計画の前には、公共の福祉に寄与するための基本構想や基本計画が必須です。

予算や住民からの要望、さらに区域にある既存施設のバランスなどを考慮して最適なリソース配分を考えねばなりません。

政治や行政も行き当りばったりではなく、事前の構想や計画が必要なのです。

大きな括りではビジネスシーンと同じ考え方といえるでしょう。

例文

担当自治体では子育て世代の住民が増加傾向だ。保育園や幼稚園を増やして欲しいという要望も、かつてないほど沢山役所に届くようになってきた。そこで保育園経営のノウハウを持つ団体を誘致し、新たに保育園を開園することにした。待機児童解消にも貢献できるだろう。

ITで使われるスキーム

ITの分野で使われるスキームは、データベース管理運用に関する用語で構造定義という意味です。

具体的には通信プロトコルの手段を指し、インターネット上のIPアドレスを指定する仕組みになっています。

代表的なものとしては“http://”や“https://”などが挙げられます。

例文

スマートフォンでメールを送受信する際には、スキームとして“message:”という通信プロトコルが使われている。

金融で使われるスキーム

金融の分野で使われるスキームは、主に資金運用の仕組みを指します。

具体的には投資信託やM&Aなどの形態が当てはまり、個人では動かせないような巨額の投資を行うのが特徴です。

例文

Z社の主な資金スキームは不動産投資信託によるものだ。リーマン・ショックによって一旦落ち込んだ不動産市場は、現在回復基調にあるという。

スキームの英語表記は?語源や由来をチェック

スキームは英語に由来するカタカナ語です。

そこでスキームについて言語としてのルーツを辿り、語源や性質に関する理解を深めましょう。

英語では「scheme」

スキームは英単語“scheme”に由来する言葉です。

“scheme”の語源はギリシャ語で「枠組みを持った計画」というものだといわれています。

その後、英語に輸入された“scheme”は主に計画・枠組みという意味で使われるようになりました。

つまり意味や用法は、カタカナ語のスキームと同じです。

英語では悪い意味!?アメリカ人に使う場合は注意が必要かも

“scheme”には陰謀・策略といった否定的な意味もあります。

同じ計画でも、いわゆる企みというニュアンスで解釈される場合があるのです。

英語圏で計画に関する話をする場合は、“plan”や“schedule”といった表現をする方が無難かもしれません。

間違えやすい!?スキームの類語をまとめて解説

スキームにはいくつかの類語があります。

中にはスキームと混同しがちなものもあり、注意が必要です。

そこで主な類語を4つ紹介します。スキームとの違いも併せてチェックしましょう。

スキームとスキーマの違い

スキームの類語として、スキーマは代表格といえる存在です。

しばしば同じものとみなされることもありますが、はっきりとした違いがあります。

スキーマは英語で“schema”と綴ります。

ますますスキームと似た印象を受けるものの、語源であるギリシャ語を辿ると形・形式という意味に行き着きます。

スキームは、ある程度内容の決まった計画や図を指します。対してスキーマの場合は、漠然とした構想やイメージを指すとされています。

ちなみに心理学の分野では、スキーマは心象や概念という意味を表します。

つまりスキーマは、スキームと比べると具体性に欠けるということがわかります。

その代わり、全体的なイメージを描く意味合いが強いといえるでしょう。

スキームとプラン・フレームワークの違い

プランやフレームワークも、スキームとよく似た言葉です。

しかしどちらもスキームと比べるとシンプルな性質を持つことがわかっています。

プランは単純な計画を表します。カタカナ語でいえば、スケジュールまでを網羅していない状態といえます。

またフレームワークは全体の枠組みを用意するに留まります。いわゆるメッシュ、中身まで詰める必要はないということです。

対してスキームはある程度内容が定まった計画であり、枠組みです。

スキームがプランやフレームワークとは似て非なるものであることがわかりますね。

スキームとフローの違い

フローとは作業の流れや行程のことです。つまり個別事象の手順や詳細を示します。

先述のフレームワークに対する、メッシュ部分の細部に相当すると考えてよいでしょう。

スキームが大まかな計画や業務を包括するのに対し、フローは最小単位の作業や手順を表します。

スキームの類語の中でも、特にフローはスキームから一番遠い性質を持つ言葉といえるでしょう。

よく耳にするスキームを使った言葉やフレーズの意味

スキームは便利な言葉です。ゆえに様々な場面で使われ、多くの組み合わせが存在します。

一例を紹介しましょう。

スキームを組む

スキームを組むとは、業務や作業における枠組みを作るということです。

後述するスキーム構築との違いとして、分担や役割を明確化するといった意味合いが強いといえます。

スキーム構築と比べると、より外郭の部分を作るイメージと考えればよいでしょう。

スキーム構築

スキーム構築とは、業務や作業におけるオペレーションの構築などが当てはまります。

スキームを組むというよりも、さらに具体的な作業要領をパターン化・定型化させる場面で使うものと考えられます。

工場における製造ラインの構築を思い浮かべるとわかりやすいでしょう。

スキーム図

スキーム図とは、定まったスキームを図示したものです。

事業スキームや業務スキームなど、あらゆるスキームを説明するのに有用です。

例えば事業譲渡や株式譲渡、あるいは資産の証券化といったものがスキーム図としてよく取り上げられます。

すなわち手続きや相手関係が形式として定まっているものの、口頭で説明するにはやや煩雑というケースです。

そこで役立つのがスキーム図です。一目で全体図を掴めるので、口頭で説明するよりも格段に理解しやすくなるというわけです。

販売スキーム

販売スキームとは販売を中心としたスキームです。

商流を捉える際、販売活動を中軸に据えたスキームと考えればよいでしょう。

つまり仕入や製造、顧客サポートといった関連業務もあくまで販売活動に伴うものと考えるというアプローチです。

ポンジースキーム

ポンジースキームとは、いわゆるねずみ講のことです。

名称はアメリカで活動したイタリア人、ポンジーに由来します。

投資を名目として資金を集め、恰も投資が成功したかのように見せかけて配当金を分配するのが主な手法です。

最初の出資者に対する配当には、後から現れた出資者から集めた資金を充てるという虚構のサイクルを作り上げました。

つまり、日本でいうねずみ講のスキームを確立したのです。

投資詐欺の代表的な事件であり、また本件の手法にはポンジーの名前をとってポンジースキームと名付けられました。

スキーム・オブ・アレンジメント

スキーム・オブ・アレンジメントとは裁判上の手続きを通じた公開買付けのことです。

買収対象の会社、もしくは株主が裁判所に申し立てることにより手続きが開始されます。

対象会社の株主総会による承認に加えて裁判所の認可を得られれば、完全小会社として全株式を取得できます。

一方的な買収行為ではなく、双方の合意に基づく友好的な買収要領といえるでしょう。

なおスキーム・オブ・アレンジメントは英国における組織再編制度の一つです。

よって日本の企業が英国の企業を買収する際にしばしば聞かれるフレーズです。

ちなみに英国法の影響を受けている国家や地域の中にも、同様の制度があるとされています。

つまりアイルランド、オーストラリア、シンガポール、マレーシアなどが当てはまります。

まとめ

スキームの意味や用法、具体例などを紹介してきました。

スキームには計画やスケジュール、あるいはフレームワークといった類語・関連語があります。

しかしいずれも、スキームとイコールではありません。つまりスキームには独特の性質があるのです。

物事に取り組む際には、計画やマスタープランなど様々なアプローチ方があります。中でもスキームを選択するのがベストという場面もあるはずです。

スキームの性質と使い方を理解しておけば、最適な場面でスキームを駆使できるに違いありません。

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