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「ベンチマーク」の意味を解説!ロールモデルとの違いは?業界ごとの意味や使い方も紹介

PC機器に詳しい方なら、ベンチマークというカタカナ語をご存知でしょう。実のところ元々ベンチマークは、IT用語ではありませんでした。

ベンチマークは比較や判断を行う上で非常に便利な指標であり、IT業界に限らず様々な分野で使われています。

ベンチマークに関する業界ごとの意味用法や、語源についても見ていきましょう。

ベンチマークの意味とは?業界によって使い方が様々なビジネス用語

ベンチマークは多くの業界で使われている一方、根底にある性質は共通です。

ベンチマークの基本的な意味と用法を理解しましょう。

一般的な意味は「判断基準」

ベンチマークの一般的な意味は「判断基準」です。物事を判断するに当たっては、基準や指標となるものが必要ですよね。

とはいってもなぜ、ベンチマークという言葉に判断基準という意味があるのでしょうか。後述する語源に理由があります。

語源は測量?建築物をベンチマークに設定

ベンチマークとは元々、建物建築における測量の手法であり、位置や高さを設定する際の基準、もしくは水準を指します。

ベンチマークの具体的な要領は、所定の空間において通常では動かない位置をベンチマークポイントと定め、ベンチマークポイントを起点に位置や高さを設定するというものです。

お気づきの通り、基準を定めるという行為はあらゆる場面で有効なアプローチですよね。

ベンチマークの概念は建築物測量に限らず、様々な分野で用いられるようになっていきました。

IT業界のベンチマークの意味や使い方

ベンチマークを語る上で欠かせないのが、IT用語としての用法です。

「ベンチ」と略されるほどにポピュラーな語句ですが、果たしてどんな意味なのでしょうか。

ハード・ソフトウエアの性能指標のこと

IT業界におけるベンチマークとは、ハードもしくはソフトウェアの性能指標です。

ベンチマークの具体例としては、演算処理速度やグラフィックの描画能力、データの転送速度などを計測するのが一般的といえます。

性能や動作速度を測定した結果「ベンチマークスコア」

性能指標といっても、知識や経験の少ない人にとっては今ひとつピンとこないでしょう。

元々の指標に馴染みがない場合、他のマシンと性能を比較しても優劣がわかりにくいものです。

他のマシンと比較できない場合に役立つのが、ベンチマークの結果を数値化してくれる「ベンチマークスコア」。

ベンチマークスコアとは比較用のデータベースを元に、ベンチマークの結果を相対化して数値評価したものをいいます。

PCやスマホの性能を比較「ベンチマークテスト」

ベンチマークテストとはPCやスマホの性能を比較する際、異なる機種同士で同じ性能テストを行うことをいいます。

性能をチェックするという意味ではベンチマークスコアとよく似ていますが、ベンチマークテストの場合は結果をスコアで表すのでなく、機種同士の性能を比較するのが目的です。

ベンチマークテストのわかりやすい例としては、いわゆるガジェット系の雑誌やWebメディアがしばしば取り上げる、ライバル機種の性能比較をイメージされるとよいでしょう。

PCやスマホの新商品発表時にはよく見られますよね。処理速度やバッテリーの持続性など、複数の項目について比較するのがポピュラーです。

特に雑誌やWebメディアの記事では「ベンチマーク」とはうたっていないくとも、異なる機器同士の性能比較を行っているという点において、やはりベンチマークテストと同義といえます。

以上を踏まえ、仮にベンチマークという言葉を知らなくとも、実際には多くの方がベンチマークテストと同じ行為や結果に接しているといえるでしょう。

ビジネスや会社経営によるベンチマークの意味や使い方

ベンチマークはビジネスシーンにおいても有用で、経営やマーケティングの手法として使われることがしばしばです。詳しく見ていきましょう。

他社と比較して経営目標を示すこと

ビジネスの分野におけるベンチマークの意味としては、、他社と比較して経営目標を示すというものが代表的です。

典型的なベンチマークは年商でしょう。年商、すなわち年間売上は業容を示す顕著な指標といえます。

例えば競合他社や従業員の規模が似た会社を比較対象にする場合、追いつけ追い越せの発想でベンチマーク対象よりも高い売上目標を設定する、といった要領が考えられるでしょう。

他の例としては従業員数と年商の割合に注目し、1人あたりの売上高を指標としてベンチマーク先の会社と比較するという方法もポピュラーですね。

ベンチマークするのは他社のマーケティング手法の場合もある

ベンチマークの対象として、他社のマーケティング手法を選択する方法もあります。

具体的にはベンチマーク先のマーケティング手法を基準とし、自社で運用しているマーケティングを評価・分析するというものです。

他社のマーケティング手法をベンチマークする際には既に成功を収めた優良企業の方法論を対象に選ぶのが一般的です。

というのも他社の成功事例を元に、自社のマーケティングにおける改善点を発見、改善していく要領が効率的だからですね。

経営改善につなげる手法「ベンチマーキング」

経営の専門用語に「ベンチマーキング」というフレーズがあります。

ベンチマーキングとは、国や企業などが製品やサービス、プロセス、オペレーションについて継続的に測定し、優れた競合他社や有力企業のパフォーマンスと比較・分析するというものです。

ベンチマーキングは測定する対象の範囲や規模が大きく、より専門的な方法論とみなされています。一般的なベンチマークと区別されることを覚えておきましょう。

投資信託や金融業界によるベンチマークの意味や使い方

投資信託など、金融業界におけるベンチマークには独自の意味があります。

「指標」という意味に注目しながらチェックしましょう。

市場平均となる指標のこと

金融業界におけるベンチマークとは、市場全体の平均的な動向を指標化したものです。

株式の場合は主要銘柄の平均株価を指標化し、投資信託の場合は運用対象に応じたインデックスを指標化する要領が一般的といえます。

代表例は日経225種平均株価やTOPIX(東証株価指数)

金融業界の最も有名なベンチマークは、日経平均とTOPIXの2つでしょう。

「日経平均」とは、日本経済を代表する株式225銘柄の平均株価をいいます。

注意点として日経平均は、株式公開会社の全銘柄を平均した株価ではありません。

数ある銘柄の中から、各業界を牽引する代表的な株式を225銘柄選出したものだということですね。

TOPIXとは“Tokyo stock price index”(東証株価指数)の略であり、東京証券取引所第一部上場株式銘柄を対象として算出・公表されている指標です。

TOPIXの計算方法は、東証一部上場株式の時価総額合計を終値ベースで評価し、1968年1月4日当時の株式時価総額を基準として指数化するという要領に基づきます。

医療業界によるベンチマークの意味や使い方

医療業界におけるベンチマークには経営や会計の要素があり、ビジネスシーンの用法と比較的似ています。

医療機器や医薬品の価格のこと

医療業界では、医療機器や医薬品の価格相場をベンチマークと呼ぶ場合があります。

医療法人も、資金繰りを行い医療行為を継続させるという点においては企業経営と同じ。

医療行為に要する備品、薬品、材料などの購買コストは極力抑えたいものですよね。

ベンチマークの意義は医療品の価格相場を可視化し、コスト削減に役立てることにあるといえるでしょう。

近年では医療品と価格に関する情報をデータベース化した、ベンチマークシステムという商品も開発・販売されています。

他院とも経営比較する際にも使用

企業経営におけるベンチマークと同様、病院の運営に関するパフォーマンスを比較する際には他院をベンチマークとして設定する場合があります。

スタッフの人数や患者の来院数、オペレーションの品質などをチェックし、自院のデータと比較・分析することによって改善点を発見できるというわけですね。

「目標」の意味で使われる自動車業界のベンチマークは日々更新されていく

自動車業界のベンチマークは若干特殊で、「自動車製造における目標」というニュアンスがあります。

具体的には業界における最高レベルの自動車を指し、製品としての完成度や技術力を表すものです。

時間の流れに伴って新しい技術が生まれ、自動車の製造コストは効率化が進みます。

古い自動車は相対的に価値が下がり、新しい自動車が次世代のベンチマークとして設定されることになるわけです。

自動車業界のベンチマークは日進月歩であり、技術革新と共に日々更新されていく点が特徴といえるでしょう。

ベンチマークするメリットを簡単解説

説明してきた内容を踏まえ、改めてベンチマークを行うメリットを考えてみましょう。ベンチマークすることによって得られるメリットは、次の2つに大別できます。

  1. 他者の優れた手法や施策を学べる
  2. 自身の問題点を明確化できる

会社経営でいえば、優良企業の経営手法やマーケティング施策を学べるということです。さらに自社の弱点を明らかにし、克服するチャンスを得られるということですね。

ともに自社内で完結していては気づけない内容です。

他社というベンチマークを設定すれば自社を相対化でき、客観的に評価できるようになることが一番のポイントといえるでしょう。

ベンチマークとロールモデル意味の違いとは?

ベンチマークと似たカタカナ語として、「ロールモデル」がよく知られています。

ベンチマーク、ロールモデルともに第三者の存在が前提となる点においては共通で、確かに似ていますよね。

ロールモデルとは一言でいえば「目標とすべきお手本」のことです。

言い換えるとロールモデルは成長の目標であり、追いつけ追い越せの対象に当たります。一方ベンチマークの本質は指標や基準を設定し、自己を客観的に評価することです。

ベンチマークとロールモデルには、本質的に異なるベクトルが内在している点を押さえておきましょう。

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